2010年08月15日
65年前の夏

終戦まで あと10日という日
福岡から疎開してきていたトモちゃん(当時4歳)は 佐賀空襲にあう。
一緒に逃げていた おタネばあさんは 首がとび 従兄弟も即死 幼子を抱いて トモちゃんの手を引いていた藤枝母さんは、焼夷弾?で腹に傷を負い、翌日帰らぬ人となった。
父親も戦争で不在。
中学生の兄を筆頭に 兄弟6人で 荼毘にふしたそうだ。
トモちゃんは すごく泣いていたという。
でも トモちゃんは覚えていない。当時のことも母親の顔も。
あまりにも深い悲しみは 記憶を消すのだと 聞いたことがある。
今でも知らない女の人をたらいに入れて兄弟で洗っている夢をみるそうだ。
汚れたまま焼いた母親を偲んでいるのかもしれない。
そして トモちゃんは どこに居るのかわからないような暗い子供に成長していく。
大人になっても なお その心の傷は生々しく その後の人生に 深い影を落としている。
トモちゃんは 69歳になる私の母である。
死んで藤枝母さんに会うのを楽しみにしている。
親戚の集まりで、この話が話題になったことがない。
悲しみはなお続き、過去のことになることはない。
65年前の夏、戦火の中で泣いていた女の子が 命をつないでいることを、
当時を知る誰かに知ってほしくて書きしるしました。
Posted by どろんこハリー at 22:23 | ・うま